「失業保険の基礎知識: 支給条件や手続きを解説」

今回は失業時に申請できる失業給付について記事にしたいと思います。

まずは、多くの方が対象となる求職者給付について簡単に説明します。

求職者給付(Unemployment Benefits)

求職者給付は、失業保険に加入している方が失業時に失業者の生活の安定と求職活動に専念できる給付制度です。

失業した際に受給する手当てには色々な手当てがあります。 

基本手当(生計維持)、技能習得手当、寄宿手当、傷病手当など

基本手当(生計維持)の申請「受給期間」は仕事を離職した翌日から原則1年間になります。一部例外があります。例えば出産や育児など就業できない正当な理由があるときは最大3年間受給が延長することができます。

就業手当(しゅうぎょうてあて)は、非正規雇用(契約期間が1年未満)で働いている人が失業した際に受けられる手当です。具体的には、以下の条件を満たす場合に支給されます。

基本手当の受給資格がある方であること。

基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上かつ45日以上あること。

一定の要件に該当すること。

支給額は、就業日数に基づき計算されます。ただし、1日あたりの支払い上限があります。例えば、60歳未満の場合は1,836円、60歳以上65歳未満の場合は1,485円が1日あたりの支払い上限となります。

再就職手当(さいしゅうしょくてあて)は、安定した正規雇用で働くようになった際に受けられる手当です。具体的には、以下の条件を満たす場合に支給されます。

基本手当の受給資格がある方であること。

基本手当の支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること。

一定の要件に該当すること。

再就職手当の支給額は、支給残日数と基本手当の日額に基づき計算されます。具体的な計算方法は、支給残日数が3分の1以上の場合と、3分の2以上の場合で異なります。

再就職手当は、安定した正規雇用で働くことができた場合に受け取る手当であり、前職での収入が保障されるようになります。

寄宿手当(きしゅくてあて)は、雇用保険の一環として支給される手当の一つです。

基本手当の受給資格がある方であること。

雇用契約に基づき、寮や宿舎に住む必要がある場合。

寄宿手当は、働くために職場の近くに寮や宿舎に住む必要がある場合に支給されるもので、生計を支える一助となります。

傷病手当は、労働者が病気やケガによって働けなくなった場合に支給される手当の一つです。

雇用保険に加入し、保険期間内に病気やケガによって働けなくなった労働者が対象です。

受給条件

15日以上働けない場合に受給資格が認められます。

基本手当の受給資格がある方であることが必要です。

受け取れる1日あたりの傷病手当金額は基本手当と同額です。

申請手続き

ハローワークで傷病手当の申請手続きを行います。

申請が提出されると、担当者が申請内容を審査し、条件が満たされているかどうかを確認します。

審査が通ると、傷病手当が支給されます。

傷病手当は、基本手当とは異なる手当です。基本手当と傷病手当は同時に受給することはできません。

傷病手当は、健康保険の傷病手当金とは異なる制度であることに注意してください。

必要な書類や手続きについては、担当者やハローワークからの指示に従ってください。

技能習得手当(ぎのうしゅうとくてあて)教育訓練給付金、職業訓練給付金は、労働者が職業訓練を受ける際に経済的な支援を受けるための制度です。

基本手当の受給資格がある方であること。

技能の習得や社会復帰のための訓練や支給条件をクリアした場合に支給されます。

職業訓練機関の選定:

キャリアアップの為の教育訓練や職業訓練を提供する機関やプログラムを選びます。

選んだ職業訓練機関「ハローワーク」等で、職業訓練給付金の申請手続きを行います。

申請が提出されると、担当者が申請内容を審査し、条件が満たされているかどうかを確認します。

審査が通ると、キャリアアップの為の教育訓練場合は受講費用の一部が給付されます。

一般教育訓練給付金の場合は厚生労働大臣が指定する一般教育訓練を受講し修了後に、本人が支払った教育訓練経費の20%(上限10万円)が支給されます。

特定一般教育訓練給付金の場合は受講費用の40%(上限20万円)が訓練修了後に支給されます。

専門実践教育訓練給付金の場合は教育訓練経費の50%(年間上限40万円)を、最大3年まで

その他に職業訓練給付金の場合は月額10万円と交通費など「通所手当」が支給されます。

受給資格

自己都合退職の場合

65歳未満での方で前職を離職する前の過去2年間に雇用保険に加入して12ヶ月以上の被保険者期間が必要になります。 

倒産、雇用解雇の場合は上記とは少し条件が変化します。

倒産、解雇の場合

雇用保険の被保険者期間が12ヶ月ではなく6ヵ月を経過していれば受給対象になります。

退職理由などによって給付日数や給付制限などの条件が変動します。

90日~150日
会社都合(倒産・解雇など)
90日~330日7日(待期)
特定理由離職者1
有期雇用で本人の更新希望が叶わなかった
90日~330日7日(待期)
特定理由離職者2正当な理由(病気・ケガ・妊娠・看病など)90日~150日7日(待期)
一般受給資格者自己都合・懲戒解雇など90日~150日
7日(待期)+3カ月
定年退職者
定年退職
90日~150日7日(待期)
高年齢被保険者65歳以上で退職(高年齢求職者給付金)30日~50日5日(又は+3カ月)

倒産や解雇の場合は給付日数も90日~330日と多く給付制限も7日間と短いです。

逆に自己退職や懲戒解雇などの場合は給付までの時間が7日+約90日ほどかかります。

ですが、令和2年10月1日以降に「正当な理由がない自己都合により離職した方」は、5年間のうち2回までは給付制限期間が3ヶ月から2ヶ月に短縮されることになりました。

受給される給付日数は被保険者保険の加入期間によって受給される日数は変動します。

1年以上~10年未満「倒産や解雇の場合は6か月以上で可」 給付日数90日

10年以上~20年未満は 給付日数120日

20年以上~ 給付日数150日

失業保険の受給金額は、失業保険で受給できる1日あたりの金額「基本手当日額」と給付日数で計算できます。 基本手当日額は、離職日の直前6ヵ月に毎月支払われていた賃金(賞与は除く)の合計を180で割って算出した賃金日額の45〜80%です。(給付率)が適用されるかは年齢や賃金日額で自分が受け取れる受給手当の金額が変動します。

 賃金日額の計算は6ヵ月の給与総額÷180 受給手当日額=賃金日数×45〜80% 支給手当の総額は基本手当日額×所定給付日数が総受給金額になります。

詳しくはお近くのハローワークなどにお問い合わせください。